PHat PHOTO 7周年記念号

PHaT PHOTO (ファットフォト) 2007年 12月号 [雑誌] Book PHaT PHOTO (ファットフォト) 2007年 12月号 [雑誌]

販売元:ぴあ
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10月20日に写真雑誌「PHat PHOTO(ファットフォト) 11-12月号(7周年記念号)」が発売になったので購入。なんで「7」周年記念? 仏事法要で7回忌ってのはあるけど(苦笑。で、今回は付録として”Rainbow7”というISO100のカラーネガフィルム(36枚撮り)が1本付いているのだが、実はこれが目当て。PHat PHOTOの公式サイトはコチラ
この雑誌、創刊7年目にしては(特に50代以上の年輩の方には)イマイチ知名度がない。内容的には、どちらかというとビギナー向けなのだが、同じビギナー向けの写真誌である「キャパ」がカメラやレンズのレビューを主体とした「カメラ雑誌」としてある程度上の年齢層の読者も取り込んでいるのに対して、「PHat PHOTO」は撮影や表現を特に女性読者やクリエイターに憧れているような若者向けに紹介する内容で、読者層を選別している感じなのである。
今回のおまけフィルム”Rainbow7”はTOKYO GRATZY(トーキョー・グラシティと読むらしい、わかりにくい)という会社で開発したものらしい。誌面にはどこの製品なのか書いていなかったのだが、TOKYO GRATZYのブログに出ていた(コチラ)。うちが作りましたとは書いてないが、PARADE100とは発色が違うと書いているので開発したのはここだと思う。PARADE100はTOKYO GRATZYの商品だ。
PARADE100のことは発売時から知っていたが、置いている店が限られていて、わざわざネットで購入するのが面倒だったのでまだ使ったことがない。サイトの情報によるとかなり緑や赤の彩度が高く再現されるらしい。今回はそれにちょっと似たようなフィルムが雑誌に付いてくるので取りあえず買って使ってみたのだ。
誌面の説明によるとM(マゼンタ=赤み)が強い発色だとある。現在、DPEショップのオートプリンターでは変退色したネガでもニュートラルな色のプリントに仕上がるようにプリント時に自動補正をかけている。誌面の説明では自動補正をしないようにショップに依頼するようにと書いているが、そもそも自動補正の機能はすべてのプリンターでオフにできるのだろうか。そして補正の範囲を超えた場合、特殊な発色のフィルムだという情報がないと、ショップでは何度もプリントをやり直すことになってしまうかもしれない。
かつては、(ポラロイドを除くと)フジ、コニカ、コダックの3大勢力だけだった日本のフィルム市場だが、ここのところ、ローライ製のフィルムや復活したアグファのフィルムなどが徐々に出回り始めている。こうした新たに投入された製品はPARADE100も含めて個性的なものが多い。こうした商品が売れ始めているという背景には、「銀塩」写真を単なる記録から表現手段として捉える人たちが増えてきたということがあるのではないだろうか。あえて「銀塩」写真と書いたのは、今後、銀塩写真は表現手段として残りつつ、その他の記録的な写真はデジタルになると予想しているからだ。前者はアート、後者はアーカイブである。アートは基本的に1点ものだが、アーカイブは複製/閲覧が容易であることが必要で、デジタルデータはうってつけである。大手のフィルムメーカーもこれからはその差異を明確にしたマーケティングが求められるのではないだろうか。(なんだかかなり大げさな結論になってしまった。"RAINBOW7"はまだ現像できていないので、撮影結果は後日あらためて掲載予定)

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魅惑のコンタックスTシリーズ

魅惑のコンタックスTシリーズ   エイ文庫 (024) 魅惑のコンタックスTシリーズ   エイ文庫 (024)

著者:マニュアルカメラ編集部
販売元:エイ出版社
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ちょっとネタ切れ状態なので本の話題でも。
今回紹介するのは、このブログではおなじみの木世(えい)文庫から『魅惑のコンタックスTシリーズ』という一冊。
1984年高級コンパクトカメラの草分けとして登場したCONTAX Tから京セラが銀塩カメラ市場から撤退する直前に最後のTシリーズとして発売されたコンパクトデジタルカメラTVS Digitalまでの計8機種が紹介されている(TVS Digitalは扱いが小さく巻頭の掲載機種の一覧にないので後から追加掲載したのではないかと思う)。内容は銀塩コンパクトカメラ6機種ごとの特徴や開発コンセプトの解説に田村彰英氏の作例写真が配された読み応えがあるものになっている。巻末には「コンタックスTの鉄則!」という章があり、ハイレベルのユーザー向けに設定されたTシリーズの操作機能を写真入りでわかりやすく紹介している。

自分は中古でT2を購入して使っていた時期があり、このカメラが実質的なツアイス・デビュー(?)だった。社会人になって初めて買ったカメラでもある。T2を選んだのはその前のTが欲しかったのだが程度のいいものが見つからなかったためで特にT2が好きだったわけではなかったりする。そうは言ってもその後の数年間は実質的なメインカメラとして大活躍してくれたので今でも思い入れのあるカメラだ。手放したのはたぶんかなりのT2ユーザーがそうだったようにピントの中抜けが多かったからだ。T2は赤外線アクティブ方式というカメラ側から被写体に向けて赤外線を投射してその反射で測距してピントを合わせる方式なのだが、暑い場所ではかなりの確率でピンぼけになってしまう。どうやら暖められた路面や浜辺では自然の赤外線が放出されているせいで検出値が狂ってしまうようだ。そのせいもあって鎌倉に引っ越した時に敷金の一部に化けてしまったのだ。その後、やはりツアイスレンズの付いたコンパクトカメラが欲しくなり、京セラブランドのSlim-Tというテッサー35mm F3.5レンズの付いたフルオートのコンパクトカメラを購入して2年ほど使っていた。このカメラはプログラムAEのみでT2のように絞り値を任意に設定することはできないが、35cmまで被写体に寄れるので結構便利だった。その後念願だったブラックボディのTを購入してSlim-Tはオークションで処分した。現在コンパクトカメラはこのCONTAX Tと以前紹介したFUJI SILVI F2.8 blackの2台体制で、この組み合わせはこれからも当分変わらないだろうと思う。

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沖縄猫小(うちなーまやーぐわー)

Book 沖縄猫小(うちなーまやーぐゎー)―センチメンタルジャーニー

著者:上西 重行
販売元:ボーダーインク
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今さらなんだけど、GWに沖縄で購入した写真集。
野良猫(最近は「地域猫」と呼ぶ)の写真集はこの頃いろいろ出ていて、それの沖縄版なのだが、実はカメラマンは大阪出身の人。関西には沖縄好きの人が多いようで、GW中も那覇市内のあちこちで関西弁を良く耳にした。飛行機でも羽田ー沖縄間よりかなり安い料金で行けるので、関東からの旅行者よりリピーターが多いのではないだろうか。最近では移住する人も多いらしく、上西氏も移住してしまったらしい。自分も滞在中に何度か猫たちには遭遇したが、公園や市場、飲食街などに住み着いている猫は結構多いようだ。たぶん近所の住人の方達が給餌(きゅうじ)などの世話をされているのだろう。また、沖縄は冬の寒さが穏やかなので、野外で生活する猫たちにとっては本土より住みやすいかもしれない。

さて、例によって前振りが長くなってしまったが、写真はセンチメンタルジャーニーというサブタイトルが付けられているように、猫を中心にした沖縄の写真集という感じだ。ただ、沖縄というと赤瓦を漆喰で固めた古い家とか、屋根のシーサーとか、青い海とかのイメージが強いが、市街地には1975年の沖縄海洋博の頃に建てられたと思われる建物も多く、それらの多くは30年以上経った現在老朽化が進みつつあり自分などから見ると「イイ感じ」な風合いを醸し出している。どうやら上西氏もこうした風景に惹かれるタイプらしい。猫たちも本土のような住宅街やショッピングセンターよりも、やっぱりこういうちょっと古びてはいるがホッとするような場所が好きなのだろう。写真の途中に挟まれた沖縄(ウチナー)に関するエッセイもなかなか味がある文章で、それを読む楽しみもある。タイトルの「まやーぐゎー」とは昔の沖縄方言(うちなーぐち)で金持ちの旦那に囲われたお妾さん(とか遊女とか)いう意味もあるらしい。なかなか粋だなあ。

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ハーフサイズカメラ遊楽

ハーフサイズカメラ遊楽 Book ハーフサイズカメラ遊楽

著者:飯田 鉄,良心堂
販売元:木世出版社
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 もう一冊木世(えい)文庫から。著者は良心堂とカメラマンの飯田鉄氏。
良心堂の名前に見覚えがあると思ったら双葉社のクラシックカメラ本「使う〜」シリーズの「使うハーフサイズカメラ」を加筆、再構成したものと書かれていた。良心堂の編集ではこのシリーズで他にも「使うローライ」などがある。
 実は「使うハーフサイズカメラ」の方は購入していない。オリンパスのハーフサイズカメラ、ペンの開発者である米谷(まいたに)氏のインタビュー(の要約)記事が載っているようにかなりオリンパスペンシリーズに偏重した内容だったのだ。確かにオリンパスペンは1960年代後半からの日本のハーフサイズカメラブームの先駆けでありメカニズムや性能面でも抜きん出ているが、他社のカメラの多くはカメラの写真とデータのみの紹介で作例もなく、こりゃ「使うオリンパスペンシリーズ」だと思ったものだ(別にオリンパスや米谷氏が嫌いなのではない。ハーフサイズカメラというとオリンパスペンシリーズばかりがもてはやされるのはフェアでないと思っているだけ)。
 いわゆる増補改訂版となる本書ではデータ的にはほぼ全てのハーフサイズカメラが網羅され、キヤノンのデミやダイアル35、リコーオートハーフ、京セラサムライなどオリンパス以外の主要機種についても飯田氏の作例とインプレッション記事が入り、より充実した内容になった。木世文庫のクラシックカメラ本はどちらかというとフォトエッセイ風のものが多く、カメラに興味を持っても購入時の注意点や操作方法といった情報は他の資料を当たらなければならないことが多いが「使う〜」シリーズがベースの本書はそうした情報も詳しく載っている。ビギナーからコアなカメラマニアまでオススメしたい一冊だ。
 これを読んだらしばらく振りにまたハーフサイズカメラが使いたくなり、以前ジャンクで買ったキヤノンダイアル35-2をレストアしてしまった。撮影結果はまた後日。

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ポラロイドの時間

ポラロイドの時間 Book ポラロイドの時間

著者:藤田 一咲
発売元:木世出版 Amazon.co.jpで詳細を確認する

 木世(エイ)出版社から出ている文庫の一冊。著者はカメラマンの藤田一咲(いっさく)氏。藤田氏はこの文庫で他にも「ローライフレックスの時間」「ハッセルブラッドの時間」といったクラシックカメラ本を出している。
 「ポラロイドの時間」では、現在でも人気のあるSX70や最新のONE600からピンホールやポラホルガも含めたポラロイドカメラのほぼ全機種が紹介されており、ポラロイドの入門書としては現在ベストの一冊だと思う。特に、現像後に裏紙を剥がすピールアパートタイプフィルムを使ったイメージトランスファーという特殊技法が詳しく紹介されており、技法としてはかなり有名なものなのにネット上にもあまり情報がないこのテクニックを実際に試してみたいというポラロイドファンは必見。
 また、最近サードパーティー製品で復刻版SX70専用フィルムが発売されており、SX70を撮影でどんどん使いたいというユーザーや、これから使ってみたいという人にもオススメ。藤田氏の「スローライフ」的な作品や文章もポラロイドの魅力にマッチしていてフォト エッセイとしても楽しめる一冊だ。

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レンズ汎神論/飯田鉄

レンズ汎神論 Book レンズ汎神論

著者:飯田 鉄
販売元:日本カメラ社
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 カメラ、レンズに関するエッセイというと、その常人離れしたセンスとユーモアでは赤瀬川原平氏が、膨大なる蘊蓄(結構間違いもあったりするのはご愛嬌)では田中長徳氏が二大巨頭と言える。赤瀬川氏はレンズ単体を紹介することはほとんどないのだが、田中氏のエッセイにはレンズに関するものも多い。もっとも内容はやっぱり蘊蓄話に終始してしまうことが多くて(そういうスタイルのエッセイなのだから仕方がないとも思うが)、興味のあるレンズが登場しても実際の描写の特徴はどうなのか、というところが消化不良はたまた欲求不満になりがちだった。
 飯田氏のエッセイは、かつて自身が使用した(あるいは現在でも使用中の)レンズたちの来歴を人との交流を織り交ぜながら語って行くというスタイルで文体は特に奇を衒ったところもないが、レンズを軸にした一つ一つのエピソードは、時には作者の思い出と重なり、時にはメーカー、技術者のモノ作りのスピリットにまで及びさまざまに展開し変幻自在だ。特に技術的な分野の話題では単なる推論で終わらせず、たびたび当時の開発者を訪ねて取材までされている。氏のレンズへの偏愛ぶり、情熱の深さを感じさせる。それぞれのレンズの作例が被写体の選び方、フィルムの選択、露出の決定のいずれもが秀逸なのもこの手の本ではなかなかないことでこの点でも自分は大変気に入っている。

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