2010年10月時点での8ミリ関連の状況

先週は武蔵小金井で行われた8ミリ映画上映イベント「パーソナルフォーカス 2010」に行ってきた。今週は10/10、11日の両日に「シネヴィス・シネマ」という上映会もある。

で、たまたま上映会に行って8ミリに興味を持った方がいるかもしれないので、8ミリの現状について自分が分かる範囲の情報をまとめてみた。

1)フィルムについて
富士フイルム シングル8フィルム
R25N、RT200Nともに新規生産は終了
RT200Nは平成22年5月の最終出荷で販売終了
R25Nのみ在庫分を販売中だが平成24年3月の最終出荷で販売終了
また、現像サービスは平成25年9月で終了

コダック スーパー8フィルム
エクタクローム64T生産、販売終了
現在カラーリバーサルフィルムはエクタクローム100D、モノクロはトライXのみ生産販売中
エクタクローム100D(の感度)には、国産のほとんどのカメラが対応してそう 今までのエクタクロームと違ってデイライトタイプなのでカメラの内蔵フィルターは解除すること

スーパー8の現像は国内ではどこに依頼してもすべてレトロ通販で一括処理なので、直接レトロ通販に依頼したほうが早い
製造が終了しているコダクローム40、25は現像方式が異なるため国内では現像不可で、コダックの直営現像所での処理も終了し、U.S.Aのドウェインズフォトでのみ現像受付しているが、今年の12月30日で終了
http://www.dwaynesphoto.com/
生産終了分のエクタクローム(VNF、64T)の現像は現行の100Dと同じC6処理なので、レトロ通販に依頼できるが、上記ドウェインズフォトにまとめて依頼した方が安上がり
なお、シングル8のR25N、スーパー8のエクタクローム全種類はすべてC6処理なので、ドイツ製の「テテナール」という自家現像キットで自家現像が可能

2)カメラ、映写機
8ミリカメラ、8ミリ映写機は、全メーカーでサポート終了
(エルモ社は16ミリのサポートも昨年8月までで終了)

数年前まで銀塩カメラを製造しているメーカー(富士、キャノン、ニコンなど)のサービスセンターに直接持ち込んで修理依頼すると、一応受付だけはしてくれる場合があったが(受付してもパーツがない等の理由で修理はしてくれなかった)、8ミリ関連製品については現在は持ち込んでも門前払いされる

8ミリの修理業者は千葉の宍映一社のみ
http://shishiei.sakura.ne.jp/index.html
元々業務用16ミリの修理がメインなので、8ミリだと修理期間が長く(半年待ちは普通)料金もかなり高い(らしい) ライキナやボリューなどの超高級機以外は完動品を新たに購入した方が安くつく場合がほとんど
映写機のサウンド系の不調は宍映に修理に出しても完治しない場合があるらしい(エルモGS1200など)

てなわけで、いろいろ大変ですが、東京では撮影や自家現像ワークショップなどもやっているので、自分一人で一から始めようとしなければ意外と敷居は低かったりする。

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シネヴィスシネマ映画祭2009

シネヴィスシネマ映画祭の開催が決まったので、大変遅ればせながらこちらでも紹介。

シネヴィスシネマ映画祭ホームページ
http://www.cineviscinema.jp/

以下、事務局の方からいただいたリンク依頼のメールを引用

シネヴィスシネマ映画祭は、コダック株式会社の運営協力の下、株式会社
シネヴィスとそこに集う有志によって開催されている8ミリ・16ミリ制作
作品限定の映画祭です。デジタルメディア隆盛の時代を迎えるなか、フィルムを
通して映像表現を学び、映画製作を志す学生や若手作家を支援し、作品の
発表機会の提供と、より多くの方々にフィルム映像の魅力を体験して頂ける
場所を創造する事を目指しています。

《開催日程》
2009年9月21日(月・祝),22日(火・祝)
《会場》
「座・高円寺 2」
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-1-2
Tel: 03-3223-7500
http://za-koenji.jp/

あまり日数がないが、上映作品も募集中。1カートリッジ部門(フィルム1本だけ、現像後に編集しないというくくりで撮影する。詳しくは映画祭ホームページの募集要項を参照)は募集が少ないとのことなので、未編集のフィルムがいっぱいある人はチャンス?

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8ミリフィルムの自家現像に初挑戦

前回の記事のフジの8ミリフィルム現像のアフレコ仕上げの休止だが、その後3回ほど現像依頼したが、いずれもサイレント仕上げのみの受付になってしまい、現像後に戻ってきたフィルムにも「サービス再開後に磁性帯塗布の処理を受け付けます」、という一分の入った紙は付いてこなくなった。フジは相変わらずアナウンスしていないが、やはり復旧が難しくこのままアフレコ仕上げは止めてしまう可能性が高そうだ。こうなると現像の方も心配になってくる。

というわけで、以前から8ミリ現像の自家現像には関心はあったのだが、いつかやってみようと思いながらなかなかできずにいた。現像液は長期保存ができないため、少量ずつの現像では現像液が途中で使えなくなり無駄になりかねないからだ。かといって、経験もないのにいきなりたくさんの本数を現像する勇気もない。

そんなところへ、自分が会員になっている東京8ミリシネ倶楽部の例会へ来ていただいた8mm FILM 小金井街道プロジェクトのメンバーであるH江さんから、8FKKP(同会の略称)
で、8ミリフィルムの自家現像のワークショップをやるので来ませんか、というお誘いをいただいた。ナイスタイミングである。そして10月8日、8FKKPの例会で使われている小金井市福祉会館(武蔵小金井)の4F視聴覚室に行ってきた。
持参したフィルムは、シングル8のフジクロームR25Nとスーパー8のエクタクロームVNF7240を各1本ずつ。シングル8はまだ販売されているが、スーパー8のエクタクロームVNF7240は今は販売されていない。生産中止になった際に、津久井(当時は新百合ヶ丘)にある8ミリ専門店CINE VIS(シネヴィス)さんで箱買いして冷凍保存していたものだ。春ごろに一度撮影に使ってアメリカの現像所に送ってみたのだがかなりひどい発色とゴミ(?)が付着してこれだったら自家現像した方がマシだろうという仕上がりで戻ってきた。

現像に使用する処理液は近代インターナショナルで発売している「テテナール」という現像キットで、これを使ってE6処理という現像処理を行う。R25NもエクタクロームVNF7240もE6処理可能である。ちなみにスーパー8フィルムの現行品であるエクタクローム64TもE6処理可能である(今回の参加者のみなさんはR25Nか64Tを現像されていた)。

今回は前日~当日の朝にメンバーのK成さん、S宅さんご夫妻、H江さんがほぼ完璧に作業の準備をしていただいていたので、参加者は作成されていたマニュアルにしたがってフィルムをタンクに詰め込んだ後は保温状態で用意された処理液を入れて振って出してを繰り返すだけでよかった。家で一人でやる場合は現像処理と保温を並行してやらなければいけないので結構大変だろう。実際の作業の手順はこのあたりのサイトを参考に。8FKKPでは第一現像の前に処理液と同じ38℃に保温したドライウエル溶液にフィルムを浸してタンクとフィルムを暖めてかつ処理液が全体にムラなく行き渡りやすくしていたのがポイントだ。

山崎幹夫の各種センサー>はじめての自家現像
ジカゲン物語 ---私、ビンボーなんです
Youtube>じかげん

15:30くらいまでには参加者全員の処理が完了。会のメンバーで早稲田大学川口芸術学校で教えておられるM由先生のゼミの学生さんお二人のフィルムを上映して終了。メンバーの方はワークショップの前にテストもされていたので感光ミスなどの失敗もなく、はじめてだったが大変スムーズに作業することができた。感謝です。その後近くのファミレスで二次会。ここでも8FKKPの活動状況など食事しながらいろいろ情報交換させてもらった。

結果については、心配していた現像ムラはほとんで出ておらず、はじめて自家現像したフィルムとしてはかなり上出来だったように思う。エクタクロームVNF7240はチェックすると細かい黒い線状のゴミのようなものが時々出てくるが、これはゴミではなくフィルム同士が擦れてできた傷ではないかと思われる現像の順番はVNF7240の方が先だったのだが、R25Nにはこの黒いものは出てこなかったからだ。。発色はアメリカで現像したものよりも全然まともだった。

ちなみに自分は当日こういうもの(8mmフィルム自家現像器「Super8 Daylight Tank」日本名「インスタゲン」)も持っていったのだが、古いシングル8のRT200を細かい溝の付いたリールに巻き込めるか明るいところで試してみたところ、シングル8はベースが薄くフィルム自体が柔らかいためかうまく溝に入らずにぐちゃぐちゃになってしまったので結局現像には使わなかった。いずれいらない未現像のスーパー8フィルムが手に入ったら試してみたいと思う。

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シングル8アフレコ処理一時停止

まだまだ残暑が厳しいですが、みなさんお元気でしょうか。

さて、最後の更新からだいぶ間が開いてしまったが、今回はシングル8の話。
6月の終わりごろにシングル8フィルム2本を横浜のYバシカメラで現像に出したのだが、仕上がり予定日に取りに行ってもないという。結局その日は何もわからなかったので、週明けに連絡をもらったところ、フィルムはアフレコ仕上げの処理(一般的な「アフレコ」と紛らわしいのだが、この場合は現像済みフィルムにアフレコができるように磁性体を塗布する処理のこと)が終わっておらず、フィルムはまだ調布の現像所にあるとわかった。作業が再開でき次第連絡が来るということなので、特に急ぐものでもなかったのでちょうど仕事が忙しくなってきたこともあって3週間ほどそのままにしていたのだが、どうも再開には時間がかかりそうだということで引き上げてもらうことにした。
富士フイルムのサイトには何の情報もないのだが、戻ってきたフィルムにはA4判の「8mmフイルム現像アフレコ処理一時停止のお詫び」と題された文書が添付されていた。まだご存じないユーザーもおられるかもしれないので、以下に原文を掲載しておく。

             8mmフイルム現像アフレコ処理一時停止のお詫び

 日頃は弊社製品を御愛顧いただき、厚くお礼申し上げます。
さてこのたび、お客様よりご注文いただきました8mmフイルム現像のアフレコ仕上げにつ
きまして、該当工程において不具合が発生したため、アフレコのために必要な磁性体の塗布
ができない状態になっております。

 ご注文いただきましたお客様には磁性体の塗布をしていない状態でお仕上がりを届け
させていただいており、大変申し訳なく心よりお詫び申し上げます。現在処理再開を目
指しておりますが、特殊な機材であることから修理が困難なため上記対応をとらせてい
ただいております。復旧の際には、お店様を通じまして改めてご案内の上、磁性体を改
めて(原文ママ)塗布させていただきます。

 お客様には多大なご迷惑とお手数をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
何卒、ご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

                          記
1.処理の一時停止内容
  アフレコ用の磁性体塗布
  ※通常は現像処理を行った上でアフレコ用に磁性体を塗布させていただいておりますが、
   お届けの仕上がりは磁性体を塗布していない状態です。

2.お問い合わせ窓口
  富士フイルムイメージング株式会社
  お客様センター

  電話 0424(XX)XXXX
  受付時間 午前10時~午後5時(土日祝日除く)

この文書の日付は7月16日になっているので、もう1ヶ月になるのだが、今日フィルムを受け取りに行って聞いたところでは復旧はかなり難航しているらしいとのこと。一月たっても復旧していないので、簡単な修理で治る内容ではなかったということなのだろう。同じ機械は以前にも故障しており復旧していたのだが、今回は本当にオシャカになってしまったのかもしれない。シングル8フィルムが製造中止になったこともあって、今年からずっと寝かせていたZC1000にR25Nを入れて集中的に撮影していたのだが、このまま磁性体塗布(アフレコ仕上げ)処理がなくなってしまうのは寂しい限りだ。そんなに急いでいるわけではないが何とか復旧して欲しいものだ。

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4ch-MTRによるパルスシンクロ(その4)

相変わらず更新が滞っておりました。

今回からようやくアフレコ作業に入っていくことになる。
作業に使うのは下の画像のVESTAXの4chのMTR MR404。6、7年前に神田の中古楽器店で1万円くらいで買ったように思う(ちょっと記憶が曖昧)。DJブースなどのコンソールに固定できるタイプ。カウンターがデジタル表示なので高級機だったのかも。

Pulse_synch13

さて、4トラックの内訳だが、今回は、
1トラック=BGM左チャンネル
2トラック=BGM右チャンネル
3トラック=ナレーション
4トラック=パルス
とした。
下の写真はパルスシンク2から4トラックにパルス信号を録音しているところ。T1映写機とパルスシンク2を使った上映ではパルス・トラックの録音は不要なのだが、完成作品は東京8ミリシネ倶楽部の例会でエルモのGS1200映写機で上映するため念のため入れておいた(結果的には、映写した1月の例会ではGS1200映写機へのパルス信号の入力方法がわからなかったのと、映写機が(高輝度に)改造されていてパルスシンクロによる速度調整が問題ないかわからなかったため、パルスシンクロ上映はしなかった)。

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さて、実際の録音手順は通常のアフレコ作業と基本的にはほとんど変わらないが、大きなメリットとしてナレーションをBGMとミックスしないため、途中でトチってもナレーションのトラックのみの録り直しで済むこと、左右チャンネルのクロスフェーダーが簡単なこと、ナレーションの出だしをチェックしやすいこと、などがある。
DVで簡易テレシネして取り込んだデータを編集できるようなiMovie(あいむーびー)などのムービー編集ソフトがあれば、リップシンクロもできそうだ。

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完成したテープはデッキごと上映会場に持ち込み、各トラック別にアンプやスピーカーに接続する。上映の際にはフィルムのリーダーにテープの走行を開始するための目印を付けるかタイトルが出るのと同時にスタートさせるとタイムラグ(ズレ)が少ない。今回の上映ではBGMのトラックはラジカセに、ナレーションはGS1200の内蔵スピーカーにつないだが、BGMは途中でレベルが高くなり音が割れてしまい、GS1200の内蔵スピーカーはノイズで若干聞き取りづらかった(例会の通常の映写では内蔵スピーカーは使用せず外部スピーカーをつないで使用している)。カンパケ(=完成テープ)はヘッドホンでしかチェックしなかったので、実際にスピーカーに接続するなどしてチェックが必要だったかと思う。

MTRの中古品は比較的入手が容易だが、パルスシンクロのための映写機やオプション品はなかなか見つけにくく、入手できても完動品である保証はない。ただ、今後、フジフィルムがシングル8フィルムの現像サービスを終了してしまうと、手軽にフィルムにアフレコする手段がなくなってしまうため、今のうちに何らかの代替手段が取れるようにしようと思い、今回のテストを行った。そもそもパルスシンクロは、アフレコ可能なフィルムが一般化する以前に広く普及していた方法で、必要な機材さえ確保できればメリットも多い。今後はT1映写機のパルス同期の仕組みを調査してみたいと思っている。

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4ch-MTRによるパルスシンクロ(その3)

前回はカット表の作成までだったが、ここでまず映写機が一定の速度で映写できているかが問題。実はほとんどの映写機の映写速度は映写中に微妙に変化しており、映写速度が一定でない状態でカット表を作成してもアフレコした時にはズレて正確なタイミングでの録音ができなくなってしまう。
実はパルスシンクロシステムに対応している映写機ではパルス発信で映写機の映写速度を一定に制御できる。今回使った映写機はキヤノンのT1というキヤノンの最高級サイレント映写機(サイレント映写機は、磁気式、光学式ともに音声再生ができないタイプ)だが、パルス発信回路を内蔵したパルスシンク2がセットになっている。このパルスシンク2のケーブルをT1に接続し、速度調整ノブをFAST側にして映写すると秒18コマで定速走行するので、この状態でテスト撮影すれば正確な時間でカット表が作成できる。下の画像がT1映写機、さらに下がパルスシンク2。

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今回はテスト映写の際に少し工夫をしている。下の画像はかつてフジが発売していた映写機用のビューワーである。デザインを当時のテレビっぽくしているところが面白い。

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この映写機用ビューワーに定速で映写したものを、さらにビデオカメラで撮影することにする。こう書くと「最初からビデオで撮影すれば簡単だろう」というツッコミが入る訳だが、このブログは銀塩ユーザーによるブログなのでそういうツッコミは無視することにする。また、ビデオで撮影するのは作品にするためではないのだ。というのは、映写機の映写時のフレームレート(秒/18コマ)とビデオのフレームレート(秒/50フレーム)にズレがあるので、画面にフリッカー(=ちらつき)が出てしまう。ムービーフィルムの映像をビデオに変換する作業を「テレシネ」と呼ぶが、ここではテレシネすることがその目的ではない。では何が目的なのかと言うと、定速で映写されている画像をビデオに撮っておくと、フィルムを繰り返し映写しなくても、ビデオを再生することでカット表の作成やアフレコが簡単にできるからだ。下は今回撮影に使用したNHKと日立製作所が共同開発したサチコン管という撮像管が入っている業務用ビデオカメラで日本ビクターのBY-110。ちなみサチコン管というのは、現在使われているCCDと異なり明るい部分の白飛びや暗い部分の黒ツブレが出にくく、デジタルではないのでジャギーやノイズも発生しにくい。一方で撮影前の1分くらいはプレヒートと言って撮影待機状態で暖機が必要だったり、非常に明るいライトや太陽を直接撮影すると撮像管が焼き付きを起こしてしまうので扱いが簡単でデジタル回路に組み込みやすいCCDに代わって行ったそうだ。

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今回はアナログビデオで撮影したので、さらにこれをデジタルに変換してパソコン(iBook)に取り込むことにする。取り込みに使うのはピクセラというメーカーのピクポンという商品。G3対応なのでDVDファイルの書き出しには対応しておらず、MPEG2かMPEG3という動画ファイルへの書き出しが可能。

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最初からDVカメラで撮影すれば、Macの場合はカメラを接続するだけでiMovie(アイムービー)が自動で起動して画像データを取り込んでくれるので簡単だ。このやり方が本当はおすすめ。MPEG2やMPEG3はiMovieでは開けないファイルなので、別のファイルコンバーターでQT(Quick Time=クイックタイム)ファイルなどに変換が必要だ。

今回もアフレコまでたどり着けずに終了。たぶん次回はアフレコ作業まで進めるハズ(苦笑。

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4ch-MTRによるパルスシンクロ(その2)

少し間が空いてしまったが、パルスシンクロの2回目。
さてアフレコ(録音)する前に、シングル8フィルムの現像〜フィルム編集までのプロセスを簡単に紹介しておこう。フジのシングル8フィルムの現像はほとんどの量販店で受け付けている。自分は横浜のYバシカメラに出しているが、昨年の秋くらいまでは仕上がりまで2週間(週に1回まとめて現像するため)だったのだが、1月に出した分は3週間後が仕上がり予定だった(連休をはさむと何と4週間後なんて言われることも。これではスーパー8を海外現像に出した方が全然早い!)12月に機械の故障などがあったので、余裕を取るようにしたのかもしれない。ちなみにフィルム代と現像代は昨年値上がりしており、2月現在で、Yバシカメラではフィルムが1本1560円、アフレコ仕上げの現像代が1956円である(サイレント仕上げだと少し安くなるが、フジでは後からフィルムに磁性帯を貼付け処理するマグネコーティングのサービスを受け付けておらず、専門業者に依頼すると高くなるので、自分は、すぐに磁性帯に直接録音する予定がなくてもすべてアフレコ仕上げで現像している)。
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さて、現像されたフィルムはこんなふうに1本ずつリールに巻かれ、何となく70年代っぽいイラストが印刷された箱に入って戻ってくる。これを切ったりつないだりして1本の作品に仕上げて行く。
Pulse_synch03

フィルムをシーンごとに切ったりつないだりして編集するには、エディターとフィルムスプライサーを使う。エディターは直訳すると「編集するもの」だが、フィルムの内容をチェックするだけの機能しかなく、実際にフィルムを切ったりつないだりするのはスプライサーの方だ。単純にフィルムに写っている内容をチェックするだけなら映写機やルーペでも可能だがスプライサーがないと編集作業はほぼ不可能だ(ただし、映写機やルーペで繰り返しフィルムをチェックするとフィルムにキズが入りやすいので、できればエディターもあった方がよい)。自分はマイネッテという写真用品のメーカーが出していたS5というエディターをネットオークションで購入した。ランプが切れていたのでバイクのウインカー用の豆球に換えている。W数が不足していてできればもう少し明るくしたいところだ。下の画像にはリールが付いていないが、巻き取り側には編集したフィルムが巻き取れるだけの大きさのリールが必要だ。
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スプライサーは、昨年、出張で山県に行った際に市内の中古カメラ店でデッドストックになっていたのを購入したものを使っている。写真用品メーカーのLPLステレオスプライサーという製品で、アフレコ仕上げされたフィルムの端の磁性帯を避けてフィルムをつなぐスプライシングテープを貼付けられるようになっている。シングル8フィルムをアフレコ仕上げにしない場合や、コダックでマグネコーティングのサービスを行っていないスーパー8フィルムの編集の場合には、磁性帯がある部分までテープを貼ってしまう、一つ前の製品LPLスプライサーでもOKだ。これを購入するまでは自分もそっちを使っていた。
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編集にはいろいろテクニックがあるらしいのだが、自分はあまり細かいことにこだわらずにやっている。(自分の)編集のおおまかな手順は以下の通り。
(1)エディターでNGのシーンをチェックしフィルムに印をつける
(2)シーンごとにフィルムを切って(シーンの順番を入れ替えない部分はそのまま)NGのシーンを捨てる
(3)およその順番にフィルムをつないで1本にする
(4)エディターで最初から終わりまで再度チェックする
(5)長すぎるシーンを短くしたり、場合によってはシーンの順番を入れ替えたり、以前に撮影したフィルムのシーンを挿入したりして細かい調整を行う
(6)映写機で試写してみる
これで一応フィルム編集は終わりだが、試写の際のポイントが一つ。タイトルが出る一番最初からシーンごとの切り替わりの時間(ラップタイム)を表にしておくのだ。この表を専門用語でカット表というが、簡単なメモ程度のものでも構わない。フィルム1本で3分程度の作品ならカット表がなくても大して問題ないと思うが、10分以上ある作品では、この表があるのとないのとでは録音の作業効率がかなり違ってくるだろう。
次回からアフレコ作業のプロセスに入る。

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4ch-MTRによるパルスシンクロ(その1)

久々に8ミリの話題を。今回から数回に分けて4chのMTRを使ったパルスシンクロ方式のアフレコ作業の手順について書いてみようと思う。あー、先ずは用語の説明が必要か(^-^;)。
アフレコというのはアフターレコーディングの略で撮影したフィルムに後からナレーションや台詞、効果音、BGMなどの音声を録音すること。撮影時に音声を録音するのは同時録音、略して同録という。アフレコの場合は撮影したフィルムの動きに後から音声を合わせなければならない。これが同調つまりシンクロである。パルスシンクロというのは、等間隔に発振されるパルス信号を使って映写機の微妙な映写速度のズレを補正して音声の再生スピードに同期させる方法だ。詳細は機器の説明のところであらためて解説する。

4chのMTRというのもPCによるHDレコーディングが主流の現在ではもう死語かも知れない。MTRというのはマルチ・トラック・レコーダーの略で複数(4つ以上)のトラックの録音再生ができるオーディオ機器。最初の製品は録音メディアにカセットテープを使いA面B面各2トラックを片面4トラックで使用するものだった。今回使ったのはこのタイプだ。その後、使用する録音メディアがDATになったりHDになったりしながらPCでのHDレコーディングが主流になるまで自宅録音いわゆる宅録に必須の機材として普及した。メディアがDAT以降の製品はデジタル処理だが、8ミリのアフレコだからといって、あえてカセットテープでのアナログ録音にこだわる必要はないと思う。ただカセットテープは現在でもコストパフォーマンスが非常に高い。なおノートPCを使った音声再生は避けた方がいい。上映時にPCの明るいモニターが点いていると観客がスクリーンに集中できなくなるからだ。
ということで、なんと初回は用語の説明だけで終了である。

今回の作業で参考にしたのは1975(昭和50)年発行の小型映画ビギナーシリーズ11「続8ミリトーキー入門 パルスとマグネ」。出版社は8ミリ雑誌「月刊小型映画」の玄光社。同誌の特集記事以外では、パルスシンクロについて詳しく解説された自分が知る限りほとんど唯一の資料だ。

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紙フィルム映写機

Book 大人の科学マガジン Vol.15 (15)

販売元:学習研究社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

雑誌「大人の科学」の最新号の付録が紙フィルム映写機なので買ってみた。付録の映写機の組立は30分程度かかったが(中国製でパーツの精度が悪く組立しにくい箇所があったため)構造はかなり簡単である。本誌の解説記事によると、こうした紙フィルム映写機は戦前に高級玩具として数種類作られていたとのこと。紙製フィルムを使うメリットとして、1)戦前はフィルムが高級品だったので安価に作れた 2)当時はカラーフィルムが一般に普及していなかったがカラー印刷した紙製フィルムならカラー上映が可能だった ということらしい。フィルムが入手しづらい(戦前とは理由は異なるが)現在、紙フィルムが見直されたのも面白い。余談だが本誌には某8ミリ専門店の協力による8ミリ機材の紹介(見開き2ページ)もあった。
紙フィルムは光源を反射させて映写する(透過ではなく反射)ので光源が暗いと明るく上映できない。付録に付属の豆電球では暗すぎて見るのが辛かった。本誌には光源を高輝度白色LEDに改造する方法が紹介されていたが、この改造はデフォルトだろう。実際にペンライトのLEDユニットをはずして取り付けてみたところ格段に明るくなり、白色光なので上映時の色味もかなり良くなった。

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紙フィルムは印刷されたものを切って繋げていくのだが、ミシン目が入ったパーフォレーションを抜いていくのが非常に手間で大変だ。時間と根気がないとこの段階で挫折しそうなくらい。フィルム1本作るのに1時間弱はかかる。またパソコンやプリンターで紙フィルムを自作する方法も紹介されていたが、インクジェット用の光沢紙にコントラストを高めにして印刷すると、付属のものより反射率が上がって上映時により見やすくなりそうだ。ただ自作の場合パーフォレーションのミシン目を打っていないので、抜く作業がかなり大変そうだ。
付属の紙フィルムの内容は『のらくろ肉弾戦』と『砂煙高田馬場』という戦前のアニメ2本の他、『鉄腕アトム』(最初の国産TVアニメ)、学研の教育映画(蝶の羽化と月面着陸)、映画監督の青山信治、クレイアニメの伊藤有壱監督、アニメの山村浩二監督の作品、クリエイター伊藤ガビン氏の作品など結構豪華で、これを考えると定価2300円はかなり安いように思う。しかも本誌には大林宣彦監督(新作のプロモーションも兼ねて)の対談と8ミリ作品もある。対談中の大林監督の言葉「使うのに不自由なものほど可能性がある」。そうアナログを使い続けるのはまさにそこなのだ。

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『まわれ映写機』

まわれ映写機 Book まわれ映写機

著者:椎名 誠
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

椎名誠氏の作品は私が大学生だった頃、つまり氏が『サラバ国分寺書店のオババ』などの作品(当時氏の文章は「昭和軽薄体」なんて呼ばれていた)を出していた頃にしか読んでいなかったので、本書を読むまで椎名誠という作家がこれほど8ミリや16ミリのマニアだということはまったく知らなかった。本書は2部構成で、1部は小学生時代に雑誌の付録で幻灯機(簡単なスライドプロジェクター)を自作したり、野外上映会で映写機を見たりして映画に興味を持ってから8ミリや16ミリフィルムで映画を作るまでの映画に関する思い出。2部は、はじめての劇場映画『ガクの冒険』ができるまでの顛末と、それ以降本格的に映画監督として映画作りをしていく過程がつづられる。自分が興味を持ったのは、やはり1部の内容で、それは作家・映画監督の椎名誠ではなく、会社勤めをしながら金と時間のない中で悪戦苦闘する一人のアマチュア映像作家の実体験が描かれていたからだ。
8ミリ時代に氏はコダックのスーパー8フィルムではなく富士フイルムのシングル8フィルム(8ミリフィルムにはスーパーとシングルの2つの規格があり、使用できるカメラも違っている)のユーザーだったようだが、高校生時代にダブル8という規格のフィルムも使っていたのには驚いた。ダブル8フィルムについて説明すると長くなってしまうので、後日あらためて紹介したいが、機材もフィルムも高価で高校生でダブル8を使っていたユーザーは珍しかった時代だ。氏も自前では機材を買えず、地元で実家が農園をやっている友人の父親のカメラを借り、フィルム現像を依頼しているカメラ店の映写機でフィルムを見ている。
特に興味深かったのはフィルムを上映する際に音声をシンクロさせるくだり。氏は撮影時の同時録音も、アフレコ(=アフターレコーディング、撮影後、フィルムの編集時に音声を入れる)もしているが、映像に音声を合わせるのに、エルモ社の「パルスシンクロ」というシステムを使っている。自分の経験上は10分程度の作品であれば、映像と音声はそう大きくずれてしまうことはない。そして素人が10分以上の作品を作るのはかなり大変である。つまり理屈の上ではシンクロシステムなんか使わなくてもいいのだ。しかし、わずかなズレでも許せない、何とかしたいと思うのがマニアの心理なのであって、椎名氏も実に立派な8ミリマニアだったということがわかる。
ある時16ミリフィルムで映画を撮りたくなった椎名氏は、会社帰りに毎日のようにカメラ店でカメラを眺めるのだが、毎号チェックしていた『小型映画』(かつて玄光社が出していた8ミリ専門誌)の個人売買欄で「16ミリカメラ売りたし」の記事を見つけるや早速京都の売り主に速達で連絡し、16万円をフトコロに新幹線に飛び乗って京都まで出かけ、件のカメラを無事入手して帰りの社内で笑いをこらえながらカメラをなで回していた、という部分など実に典型的なマニアっぷりだ(自分も同じような経験があるので良くわかる)。
あまりいないとは思うが昔の8ミリのシステムに興味がある人、いやそれよりも、やはりこれから自分で映画を作ってみたいという人に本書はお薦めだ。内容的には古びている箇所もあるが、最終的に映画を作り出すのは、金でもテクニックでも機材でもなく情熱だということがわかるだろう。

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