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ジャン・ルー・シーフ写真展

このブログも諸事情でしばらく休眠中といったところだったが、ボチボチ更新していく予定。

というわけで、更新再開一発目は、このブログでもおなじみの「トシャビ」こと東京都写真美術館で開催中の「ジャン・ルー・シーフ写真展」の感想。

名前から想像がつくようにパリ生まれのフランス人で、60年代からハーパス・バザーなどでファッション写真をメインに撮っていた。ただ、日本でジャン・ルー・シーフ氏の知名度がアップしたのは90年代以降に氏の写真集がどんどん輸入されるようになってからで、80年代には、まだあまり知られていない作家だったと思う。フランスとかイギリスの写真家は本国での評価よりもどれだけ日本で写真集が売れたかによって日本でのネームヴァリューが決まってしまうところがあって、インターネットでどんどん情報がやり取りできるのに、こういうところは明治時代とあまり変わらないという印象。

それはさておき、展示作品は氏がマグナムの会員だった(今回の展示で初めて知った)50年代のスナップから死の直前までのほぼ全時代を網羅した内容で(トシャビの作家別展示はこういう回顧展形式のものが多い)、特に、初期のスナップ写真や風景写真は写真集にはあまり入っていないので今回の展示の見所だといっていいと思う。

スナップ写真にしても背景と人物の構成をかなり計算している感じで、やはりこの人の本領はファッション写真なのだろう。逆にファッション写真なのに広角レンズでスナップ風に撮影された、セレブが高級車でホテルに乗り付けてパーティーをやっている組写真やスタジオではなく(おそらく)モデルの女性のプライベートルームで撮影したと思われる写真もあり、どんなシチュエーションで撮影してもファッション写真っぽく見せられる人なんじゃないかと感じた。

ファッション写真の半分くらいはヌードかセミヌードだが、ほとんどエロティシズムのようなものが感じられない(自分がそういう見方をしているせいかもしれないが)。もちろんモデルの魅力を引き出すような撮り方はしている(同じファッション写真家でもモデルをマネキン風に撮影するヘルムート・ニュートンとは違っている)のだが、あまりモデルの内面まで踏み込んで行こうとしてないというか、逆にそのあたりの「ある種の控えめさ」「押し付けがましくないところ」が現在の日本人の感性に合っているのかもしれない(草食系?)。

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