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ポラロイドフィルム生産終了

このブログなどをお読みの方はすでにご存知だと思うが、ポラロイド社は2008年8月すべてのフィルムの生産を終了すると発表した。これは単純にフィルムの生産を終了するということではなく、現在稼動しているオランダやメキシコの工場を閉鎖するという内容なので、完全にフィルムの生産から撤退するということらしい。

すでにポラロイドでは2006年にフィルムカメラの生産を終了していたが、2000年以降SX70TZ(SX70フィルム・タイムゼロ)、TYPE500(ジョイカム用フィルム)、TYPE665(モノクロ高解像度フィルム)、TYPE85(TYPE665の4X5判)と次々にフィルムのラインナップの縮小をして行ったが、この流れを見て行くと発売開始時期が古く、販売量が落ち込んだものから順次やめて行っているような感じがする。

今回全種類のフィルムの生産を終了するに当たってポラロイドは「デジタル製品が市場に定着する中、インスタントフィルムの需要は減少を続けております。」 としているが、全工場の閉鎖を決断した背景には、単純にデジタルに押されてフィルムの販売量が減少しているというだけでなく、生産ラインを維持するための人件費を含む設備投資資金が金融機関から調達できなかったという事情があったのではないだろうか。もちろんこれは個人的な憶測に過ぎないが、プライムローン問題で多くの金融機関が多額の不良債権を抱え、ドルが下落している経済状況下では、フィルム生産など「将来性に明るい見通しがない」と見なされる事業に対していわゆる「貸し渋り」があっても不思議ではないと思う。

デジカメで撮影した画像のシャープネスや色味を加工して「ポラロイド風」に見せることは可能だが、それはあくまでも「ポラロイド風」の「デジタル画像」なのであって、撮影後のフィルムに徐々に画像が浮かび上がってくる感覚や、予想外の描写を体験できるわけではない。ポラロイドの魅力は独特の描写にあるという人は多く、確かにそれもあるが、むしろ画像が出てくるプロセスにこそ魅力があったのではないだろうか。20世紀の半ばに撮影してその場で画像が出てくる魔法のフィルムをアメリカ人は世に出したが、わずか半世紀後に経済的な理由から自らの手でそれを封印してしまった。やはりアメリカという国はどこかおかしくなっているのではないだろうか。

また、冷蔵庫のスペースが買い置きのフィルムで埋まってしまう。

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コメント

はじめまして。
「ポラロイドフィルムForever」というポラロイドフィルム生産継続運動をはじめました。
http://www.d1.dion.ne.jp/~kudar/Polaroid_Forever/

米ポラロイド社は本年8月でポラロイドフィルムの製造を終了することを発表しています。
デジカメに押されてのことと思いますが、ポラロイドは35mmにもデジカメにもない味があります。
これがなくなってしまうのは、文化の危機と考え、ただいま3人でサイト運営しています。
できれば、この署名サイトを多くの人に知ってもらい、いろいろな人やいろいろなお店で署名活動をしていただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。

ポラロイドフィルムForever 代表 工藤孝生

投稿: Kudar! | 2008年5月13日 (火) 12時05分

工藤 様

コメントありがとうございます。サイト拝見しました。趣旨には賛同しますので署名は送付させていただきます。
ちなみに3点ほど教えていただきたいことがあります。

1)集めた署名はいつ頃各社に送付されるのでしょうか、またポラロイドフィルムForever宛に署名を送る締め切りはいつですか。
2)イーストマン・コダックは以前に自家現像タイプのインスタントフィルム(とカメラ)を製造していましたが、これがポラロイド社の特許を侵害しているとして訴訟になり、敗訴したために製造販売を中止したという経緯があります。つまり同社は過去に自家現像タイプのインスタントフイルムの製造実績がある訳ですが、今回、コダックに対しては要望などは出されないのでしょうか。
3)「日本ポラロイド株式会社にオランダ工場(モノシートタイプ製造)の早期移譲・売却をお願い」とありますが、これは特許やパテントを含む移譲・売却ですか。工場施設だけ移譲されても特許をポラロイド社が抑えている限り第三者は特許侵害になるため同じ製品を製造できないと思います。

以下は参考意見ですが、もし国内生産も視野に入れるのであれば、ポラロイド社には、モノシートタイプフィルムに関する特許/パテントの公開を要望して欲しいと思います。こうした情報がオープンになれば中小メーカーも参入が容易になり、受注生産する体制が作りやすくなるのではないでしょうか。

投稿: 成田屋古漫堂 | 2008年5月14日 (水) 23時58分

こんにちわ。回答がおくれてすみません。
1)8月初旬に提出する予定です。署名の締め切りは7月末日です。
2)あらかじめ各メーカーの事情を聞いたところ、富士は自社製品に注力すると答え、コダックは20年前に敗訴してから、会社の方針としてインスタントフィルムは作らないそうです。DNPは買収の話なら大日本印刷に送ってくれと言われました。
3)はい、もちろん特許やパテントも含めてです。これらをポラロイドは売ってしまいたいようです。

投稿: Kudar! | 2008年6月14日 (土) 15時47分

工藤 様

成田屋古漫堂です。ご回答ありがとうございました。
こちらもノンビリ構えていてまだ署名をお送りしていませんでした。すみません。週明けには送付しておきます。

コダックはやっぱり難しいんですね。ポラロイドが特許、パテントも含めて売却したいと検討しているのであれば、コダックが引き受けてくれるのがベストかと思ったんですが、今は余裕がなさそうだし色々事情もあるんでしょうね。

投稿: 成田屋古漫堂 | 2008年6月16日 (月) 00時53分

ポラロイドフィルムForeverの工藤です。

私どもの団体は署名やワークショップ等で
ポラロイドフィルムの生産継続を求めてきました。
世界中のポラロイドを愛する人たちの願いが実り、
PolapremiumとThe Impossible Project が、
ポラロイドフィルムの生産、販売をすべて引き継ぎ、
先日、ベルリンにPolapremiumの実店舗が開店するに
至りました。
私たちポラロイドフィルムForeverは、さらに
ポラロイドの楽しさを、多くの人に知ってもらうべく、
ポラロイドカメラのレンタルも開始しました。
今年は東京でワークショップを行う予定です。

投稿: Kudar! | 2009年6月14日 (日) 08時23分

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